水鏡に映る絶景と北信五岳が育む食を堪能
約7~8時間
北信州に聳える美しい5つの山、北信五岳。地元では、「まみくとい」(右から、ま・斑尾山、み・妙高山、く・黒姫山、と・戸隠山、い・飯縄山)という合い言葉で覚えられ、親しまれています。その山々の恵みの水を湛える戸隠・鏡池や黒姫高原・御鹿池などの農業用ため池は、北信五岳の四季を水鏡に映しだす絶景スポットとして、訪れる多くの方々を魅了しています。
また、この水が育むおいしい農産物とともに、北信州には、日本人なら誰もが愛してやまない素朴な味わいがたくさんあります。とりわけ「そば」と「おやき」に注目し、それを堪能できるのがこのコースです。
全国各地のそばのなかでも最高級といわれるものの1つに「戸隠そば」があります。標高1,000m近い高原、20℃近い昼夜の寒暖差、包み込む深い霧が独特の風味を生み、さらに「ぼっち盛り」と呼ばれる丁寧な盛りつけにも、先人たちから受け継がれたそばづくり、そば打ちへの愛情が感じられます。
もうひとつの味わいは「おやき」。野沢菜や切り干し大根などの田舎の食材を小麦粉でくるんで焼いただけの料理が、なぜこれだけ人の心を癒やすのでしょうか。その郷愁から、これを「おふくろの味」と情緒的に片付ける向きもありますが、それだけではありません。囲炉裏で焼いた手作りの「おやき」を食べれば、それが完成された極上の料理であることを感じられるはずです。そんな囲炉裏のおやきを味わえるスポットとして「小川の庄」があります。
大満足な「絶景」と「食」を巡る旅を御案内します。
SPOT
小川の庄・おやき村
小川の庄・おやき村
おやき(お焼き、御焼き)は、小麦粉・蕎麦粉などを水で練り、薄くのばした皮で小豆、野菜などで作った餡(具材)を包み、焼いた食品です。形状は円形で、直径8~10cm程度が一般的。長野県の郷土料理として知られており、小川村のおやきは、その代表的存在です。
おやき村の店内では、おやきや手打ち蕎麦のランチを。縄文時代の竪穴式住居を模した囲炉裏の館では、手づくりおやき体験もでき、焼きたておやきをお召し上がりいただけます。
小川村・アルプス展望広場
眼下の山村風景と雄大に聳える北アルプスが見渡せる場所で、絶好の撮影スポットです。
近くには、信濃三十三番札所の札留め所の高山寺があります。七堂伽藍(しちどうがらん)で1195年建立の三重塔が現存しています。
大望峠
標高1055mのこの峠からは、戸隠連山のごつごつした山容、眼下に折り重なるように続く尾根、そして遥か彼方に堂々と聳える北アルプスの山々が見渡せ、まさに絶景の一言です。
戸隠・鏡池
戸隠連峰を源とする冷たい水を稲作に適した水温に温めるために築造された「温水ため池」で、この清らかな水で農産物を育むための重要な施設です。妙高戸隠連山国立公園内にあり、水鏡に映る戸隠山の姿は四季折々の風情を見せ、自然観察や写真絵画を楽しむ人々が多く訪れる絶景スポットです。
近年パワースポットとして注目を集める戸隠神社や、CMのロケ地となった奥社参道など近隣に見どころも多く、戸隠の主要な観光地となっています。
戸隠神社奥社
戸隠神社は霊山・戸隠山の麓に、奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の5社からなる、創建以来二千年余りに及ぶ歴史を刻む神社です。その起こりは遠い神世の昔、「天の岩戸」が飛来し、現在の姿になったといわれる戸隠山を中心に発達し、祭神は、「天の岩戸開きの神事」に功績のあった神々をお祀りしています。
平安時代末は修験道の道場として都にまで知られた霊場でした。神仏混淆のころは戸隠山顕光寺と称し、当時は「戸隠十三谷三千坊」と呼ばれ、比叡山、高野山と共に「三千坊三山」と言われるほどに栄えました。
江戸時代には徳川家康の手厚い保護を受け、一千石の朱印状を賜り、東叡山寛永寺の末寺となり、農業、水の神としての性格が強まってきました。明治になって神仏分離の対象になり、寺は切り離され、宗僧は還俗して神官となり、戸隠神社と名前を変えて現在に至ります。
戸隠山の中腹にある奥社は、創建が紀元前210年といわれており、ご神徳が高いため、参拝客がたえない神社として有名です。途中の杉並木は、JR東日本の吉永小百合さん出演のCMで一躍有名になった観光スポットでもあります。
黒姫童話館
黒姫童話館
黒姫童話館では、世界各国の童話や絵本、信州の昔話などを収蔵・展示し、「はてしない物語」「モモ」の作者ミヒャエル・エンデ、松谷みよ子を中心とした国内外のおなじみの童話作家の人と作品を、子供も大人も親しみをもって学べるように紹介しています。また、楽しいイベント、コンサートや講演なども開催されています。
黒姫の森と草原に囲まれた豊かな自然の中にあり、文学と芸術と自然が一体的に楽しめる空間となっています。
御鹿池
御鹿池は、江戸時代に地元の農民によって自然の地形を利用して造られ、黒姫山麓から流れる水を農業用水として利用していたのが始まりです。その後、一旦は使われなくなりましたが、昭和28年に、水を温めるための「温水ため池」として再整備され、約40haの水田のお米を育てるのに欠かせない施設となっています。
黒姫高原の森と草原の豊かな自然の中にある御鹿池には、遊歩道が多数整備されていて多様なコースが楽しめます。リュウキンカが群生する湿原や小さな滝も二つあり、川のせせらぎが聞こえます。車の進入が規制されていますので小鳥のさえずりなども良く聞こえ、静けさを存分に味わうこともできます。黒姫童話館・童話の森ギャラリーが近くにあり、喫茶室での軽食も可能です。「森林セラピー基地・ロード」に認定された癒しの森コースの一つ、童話の森コースへも行くことができます。
道の駅 しなの
信濃町の豊かな自然条件と地元農家が育てた新鮮な朝採り野菜を販売しています。春には山菜やルバーブ、夏には信濃町特産の甘いとうもろこしや瑞々しいトマトなどの夏野菜、秋には新米、冬には雪が積もる信濃町ならではの雪中野菜など、旬の農産物が購入できます。
職人が毎朝手打ちする霧下そばや、牛乳工場から直納される搾りたて牛乳を使ったソフトクリームやヨーグルトもおすすめです。
DATA
営業時間 | 9:00~18:00(夏期9:00~19:00) |
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定休日 | 水曜日(祝日の場合は翌日) ※7、8、9月は無休 12/31~1/1 |
URL | https://f-tenbou.com/ |