「塩田平のため池群」と信州の鎌倉ウォーキング

約4~6時間

「信州の鎌倉」とも称される別所温泉。高台にあるこの温泉地から上田市街地に向けて伸びやかに広がる扇状地が「塩田平」と呼ばれている地域です。鎌倉と呼ばれるのは、12世紀、源平の争乱で多くの寺社仏閣が焼失しましたが、その後、源頼朝や、塩田北条氏がこれらを再建し、大いに栄えたことに由来するものだといわれています。
昨今、別所温泉では、若い女性をターゲットにした美容や健康のアクティビティが人気ですが、それにあわせて今、じわじわと人気が高まってきているのが塩田平の「ため池」巡りです。空中写真で眺めてみると確かに違和感を覚えるほどにため池が密集しています。なぜため池がこんなに多いのでしょうか。
雨が少ないからため池をつくる、というのは自明の理ですが、上田市の平年降水量はわずかに890mm。国内の全観測地点のなかでも最少ランクです。さらに驚くのは、この890mmというのは市の中心部にある測候所のデータであり、塩田平の稲の生育期の降水量は、この6割しかないといいます。しかし、裏を返せば、天気が良いわけであり、土壌も肥沃だったため、水さえ確保できれば、優良な農業地域として発展できることが見込まれていました。このため、江戸時代に盛んにため池がつくられ、結果として、この塩田平だけで、上田藩の約半分の石高を稼ぐという重要な水田地帯になったのだそうです。
この塩田平のため池は、徒歩で巡るのがお勧めですが、疲れたら巡回バスが助けてくれます。車でお越しの場合には足を延ばして、観光農園での果物狩りもお勧めです。

SPOT

塩田平のため池群

塩田平のため池群

上田市は、全国的にも非常に雨の少ない地域で、塩田平には100以上のため池が存在します。多くは戦国時代末期の上田城主真田氏の時代から江戸時代にかけて築造されました。池の名称には、発祥となる伝承が残っているものが多くあります。また、歴史や景観の美しさを評価された塩田平のため池群は、農林水産省の「ため池百選」に選ばれ、水を利用する地域住民によって大切に管理されています。

DATA

所在 上田市塩田
築造 戦国時代末期~江戸時代
無言館

無言館

無言館は窪島誠一郎氏により平成9年に開館した美術館です。
二次世界大戦中、志半ばで戦場に散った画学生たち130名の残した絵画や作品、イーゼルなどの愛用品を収蔵、展示しています。

DATA

入館料 個人 大人1,000円、高・大校生800円、小・中学生100円
開館時間 9:00~17:00
休館日 毎週火曜日休館(祝祭日の場合は開館、翌日休館)
URL http://mugonkan.jp/
前山寺三重塔

前山寺三重塔

弘法大師が開き、鎌倉時代に長秀上人が発展させたという前山寺。境内には二層と三層に縁と勾欄(こうらん)がないため「未完成の完成塔」といわれる国の重要文化財・三重塔があります。
境内は季節のうつろいとともに花々が咲き「花の寺」とも呼ばれています。毎年5月には見事な藤を咲かせます。
「くるみおはぎのお接待」をしていただけることでも知られています

DATA

参拝時間 9:00~16:00
入山料 おとな 200円 高校生 100円 小中学生 50円
URL http://www.zensanji.info/
龍光院

龍光院

塩田北条氏の菩提寺。格式ある黒門と樹齢600年のケヤキが見事です。鐘楼の棟には北条氏の紋である寺紋「三ツ鱗」が飾られています。八角の堂は羅漢堂で、釈迦如来を中心に、阿難尊者、迦諾迦伐磋損者、迦葉尊などが安置されています。
3月から11月の間、予約をすると精進料理の山菜膳(有料)を味わうこともできます。

DATA

拝観時間 8:00~17:00
拝観料 志納
中禅寺薬師堂

中禅寺薬師堂

真言宗のお寺で、薬師堂は平安時代末期か鎌倉時代初期の建立とみられ、信州最古の木造建築と言われ、国の重要文化財に指定されています。
薬師堂の中ほどに、四本の丸い柱を立て、西側の二本の間に板壁を作り、その前に仏を安置する須弥壇が設けられています。須弥壇の上には、台座の上に座した薬師如来がまつられています。
ほの暗い中に、右手のたなごころを前に向け、左手に薬の壺をのせ、優しいまなざしで見つめるそのおだやかな顔は、お祈りをする人に計り知れない安心感を与えてくれます。

DATA

拝観時間 8:00~16:00
拝観料 200円
とっこ館

とっこ館

独鈷山の麓にある「塩田の里交流館(とっこ館)」は、塩田平の自然・歴史・文化を学んだり、地域文化との交流ができる施設です。塩田、川西、青木地域に存在する美しい景観や豊かな自然、また、人々の営みによって長い間に培われてきた伝統や文化などのさまざまな魅力を、屋根のない博物館として紹介・活用する、“田園空間博物館”構想に基づいています。館内には情報の間、研修の間、体験の間などのほかに語りの間があり、数多くの民話が伝わるこの地ならではの語りを、大型プロジェクターで体感できます。
係員の都合がつけば、ため池についての話が聞けますので、窓口でその旨申し出てください。

DATA

開館時間 9:00~17:00
休館日 水曜日(ただし、水曜日が祝祭日のときは木曜日)年末年始(12/29〜1/3)
入館料 無料
URL http://www.shiodanosato.jp/
舌喰池

舌喰池

舌喰池には悲しい民話があります。
~昔この池が造られた頃、土手から水が漏れて、十分に水を溜めることができませんでした。そこで池の改修をするにあたり、土手に「人柱」を入れなければ水が溜まらないという話がどことなく伝わってきました。人柱とは、生きた人を土中に埋めて祈ることです。誰もが真剣に悩んだ結果、くじ引きで決めることになり、村はずれに一人で住んでいる美しい娘さんが人柱に選ばれました。娘さんは、日夜悲しみに明け暮れていましたが、人柱に立つ前の晩、身の不運を嘆いて舌を食い切り、池に身を投げて死んでしまいました。~
このような話が語り継がれていることから、地域の人たちはこの池を「舌喰池」と呼ぶようになりました。

山田池

山田池

山田池は昭和13年(1938年)に沢山池ができるまで、塩田平一の大きなため池でした。
池の歴史も古く、築造年は不詳ですが、慶安3年(1650年、江戸時代)に、それまで2つ並んでいた池を1つにまとめ現在の池ができました。その工事を行った時に次のような話が残っています。
工事前、上田藩のお殿様に設計書を出してお伺いをたてたところ、「こんな大きな池を造ると、もし堤が切れたときに上田の城や街にまで被害が出る恐れがあるから、堤はあと一尺(約30cm)低くしなさい。」と言われました。堤がわずか1尺でも高いと、それによりため池の貯水量は大変多くなります。しかし何かの原因で堤が切れたときには、大量の水が城や街を襲うのです。こうして堤は1尺下げられて山田池ができました。
またこの池では、天保年間(1840年頃、江戸時代)に養鯉を試みたり、上田藩の事業として池畔約3千坪のお薬園と称した薬草の栽培をしていました。
山田池は八木沢と山田の地籍にまたがって造られてますが、この池の工事の総指揮をした人が「伊勢(今の三重県)の山田」から来ていたので、その地名をとって池の名前にしたといわれています。池の全貌が望める八木沢の字舟窪には、池の守護神として伊勢から勧請したといわれている神明様(天照皇大神宮)が祀られています。

塩田東山観光農園

塩田東山観光農園

夏場を除いて、様々なフルーツ狩りができる施設です。JA直営の農園のため、安い料金でフルーツ狩りが楽しめます。農産物の直売もしています。
1月~6月 いちご狩り
6月 さくらんぼ狩り
9月~11月 ぶどう狩り
9月~11月 りんご狩り
※夏場のフルーツ狩りのお勧め
7月上旬~8月中旬 ブルーベリー狩り ひだまり農園(東御市)
8月中下旬~10月下旬 ぶどう狩り カネツ観光農園(東御市)

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