清流が育む北アルプスからの贈り物
約6~7時間
長野県中部に広がる松本盆地は、その南部を筑摩野(ちくまの)、北部を安曇野(あづみの)と称されてきました。「安曇野」は信州の代名詞のようなブランド力を身につけて、全国にその名が知れ渡っています。それは、田植えの時期、澄んだ水を張った水田に、まだ雪を残す北アルプスの雄姿が映り込むその様が、日本の原風景として、強く人々の心に響いたからに違いありません。
この田園風景を眺めたとき、絵心のある人ならば、スケッチせずにはいられないのではないでしょうか。本コースでは、最適なスケッチポイントの1つとして、クラフトパーク池田をご紹介します。
農業用水に関してこの地域を語るとき、真っ先に挙げられるのは、冷たい雪融け水に苦労したことです。そのため、この地域の上原(わっぱら)用水は、地元の人が「ぬるめ」と呼ぶ通り、水を浅く広く蛇行させ、陽の光にあてる特徴的な用水路です。現在は、遊歩道や四阿(あずまや)などを併設した親水公園となっており、夏には水遊びや林の中を探検する子供たちの遊び場としても賑わっています。
安曇野IC
安曇野IC・長野IC
SPOT
あづみ野池田クラフトパーク
東京スカイツリーと同じ高さの標高地点にある「あづみ野池田クラフトパーク」は、北アルプスの山々と安曇野を一望しながら、緑地公園や美術館などの施設で、子どもからご年配の方までそれぞれの楽しみ方ができます。四季折々、毎日その姿を変える大自然を満喫できます。
クラフトパーク内には500本のさまざまな桜が植えられています。横浜緋桜、緋寒桜、八重桜、シドモア桜、岐阜山桜、大山桜、しだれ桜、山桜などの桜が次々と咲き誇ります。
サンセットポイント100選にも選ばれていて、写真やスケッチに最適な場所です。
道の駅池田
池田町の特産であるハーブ関連商品(ハーブバス、ハーブティー、アロマ、ハーブ苗)や桑茶、地元産の野菜や果物、地元酒造の酒などを販売しています。道向かいには、ハーブ園があり、春にはカモミール、初夏にはラベンダーが見ごろになります。
ハーブソフトクリームや桑の葉ソフトクリームも人気。無料で入れる足湯もあります。
上原用水
水路幅を広げ水深を浅くし(幅16~18m、深さ10cm)、蛇行させることで、太陽の光をたくさん受ける仕組みの「温水路」は、地域では「ぬるめ」とも呼ばれており、北アルプスを源とする冷たい水を水稲の生育に適した温度へ上昇させるために造られました。水温を1℃上昇することで米が1俵多く採れるといわれていますが、この水路では、延長300mの区間で約2℃上昇させることができます。
四阿(あずまや)や遊歩道も整備されており、子供たちが水遊びを楽しむことができます。
越荒沢堰
生活用水確保のために築造されましたが、後にかんがい用水として利用されるようになった水路です。北アルプスを背に流れる自然石を使った水路には、岩魚やカジカなど清流を好む魚も棲息し、周辺にヒメギフチョウが舞う豊かな自然環境を創出しています。「水土里ネットおおまち地域用水対策協議会」により、自然観察会や保全活動が行われ、地域の人々に親しまれています。
木流川
江戸時代後期に開削され、薪や材木を流して運んだことが名前の由来とされています。平地では珍しい高山植物も観察でき、地域の財産として守られています。景観・環境・生態系の保全に配慮した県営水環境整備事業による改修が行われ、「木流川と親しむ会」を中心とした保全活動等を通じて、自然の大切さや美しさを学べる場となっています。